日本高度成長時代夜明けの1962年(昭和37年)、爆発的な人気を博していたCB72をベースに、国内ではまだ珍しかったスクランブラーのコンセプトを取り入れたマシン、ホンダドリームCL72はデビューした。
スクランブラーとは、市街地走行からオフロード走行までをカバーし得る設計のマシンをさし、まだまだバイク自体が高嶺の花だった時代にありながら、CL72は国産初の本格的レジャーバイクとして極めて高い人気を博した。
パワーユニットはCB72と共通としながらも、ミッションレシオを大幅に変更することで低回転域でのきびきびとした走りを実現した。さらに、軽量化と同時に高めにセッティングされた車体と、大径ブロックパターンのオフロードタイヤ&サスペンションの採用で、ダート走行も楽しめるようになっている。
博物館展示の1台は、いまや極めて稀少となってしまったCL72の1964年モデルである。
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