TOYOTA CELICA TWINCAM TURBO TA64
Group B. WORKS

COBRA427 photo

2年連続で1-2フィニッシュを飾った2輪駆動ラリーマシン

サファリラリーは毎年春にケニアの草原を舞台に行われる。このレースで、トヨタ・チーム・ヨーロッパ(TTE)のグループBカー、ワークスセリカは、'84年からの3連覇(ハットトリック)を収めた。しかもそのうち、1985年は1位、2位、4位と3台が上位入賞、'86年は1位、2位でゴールイン。2年連続で1位2位を独占し、いわゆる、”1-2フィニッシュ”を飾った。
エントリーナンバー2を持つ四国自動車博物館の展示車は、'86年度の優勝車。ドライバーはビョン・ワルデゴウルドであった。当時のTTE監督、オヴェ・アンダーソン氏は「ワルデゴウルドの存在がサファリ制覇の大きな勝因」と振り返る。ラリードライバーとしての彼の的確な状況判断と豊富な経験がワークス・セリカを勝利へと導いた。
マシンに関しての印象は、「ワークス・セリカはサファリの過酷なレースに合わせて開発した車。十分にパワフルだし、構成がシンプルで組み立てやサービスがしやすかった」と語っている。


384馬力を絞り出したターボエンジン

ワークス・セリカの誕生は1983年。アフリカのコートジボワールでデビューしたグループBカーである。
元来このマシンは、ラリー用のチューニングを施しやすいマシンであった。車両のスペックも初めから高度なものではなく、量産セリカをほんの少し改造した車両が200台生産され、グループBのホモロゲーションを獲得した。

ワークス・セリカは、マシンに様々な改良が施され、なかでもサスペンションが特に良くなったという。エンジン排気量は、ベースの1791cc(ターボによる換算係数をかけると2507cc)をボア、ストロークともに拡大し、実質2090cc、換算後2926ccという3リットルクラスの大排気量を得た。出力はターボエンジンということもあり、気温や燃料の質で異なるが、ベースの160馬力に対し、デビュー当時の最大出力は326馬力、'86年度優勝のこの展示車は384馬力を絞り出した。また、タイヤはピレッリを使用。過酷なコースをハイスピードで駆け抜けながらも展示車のパンクはたった一度。そのため、ロスタイムは最小限にとどまり、優勝への大きなステップとなった。