トヨタとデンソーのモータースポーツの経験は豊富だ。2004年現在のトップカテゴリーであるF1でも余裕をもって冷静にプロジェクトを進めている。1949年にトヨタグループから独立したデンソーは、1960年代後半、トヨタ2000GTとトヨタ7のレースプロジェクト支援を開始する。そして、1980〜1990年代にかけて、伝統のル・マン24時間耐久レースをサポートするのだ。

その 耐久レースがグループCで行われていた時代。打倒ポルシェを旗印にトヨタのワークス活動を担っていたTOM'Sは、1985年から本格的にル・マン24時間耐久レースに参戦を始めた。 そして1989年6月11日ル・マン（写真右下）で戦ったトヨタ88Cそのものが、ここにある1台である。

ドライバーは星野薫、鈴木恵一、Didier Artzet。 予選は27位で通過したものの、決勝では残念ながらリタイア。1992年以降のトヨタの快進撃が始まる夜明け前の1台であった。