バリアフリーお遍路の旅

2004年5月21日〜5月25日
高知・愛媛体感の旅

第4日目・・・5月24日 (月) レポーター 西森 さとみ

今日のパートナーは、鬼頭さんという少しご年配の方でした。宿坊の朝は早く、午前6時30分に本堂でお勤めでしたので午前5時の起床でした。
昨夜は、木村さんという全盲の方で、ダイスケという盲導犬を連れていらっしゃる方と一緒に行動することが多かったので、朝はダイスケの排便も兼ねて散歩しました。木村さんとは1日目の黒田さんのパートナーの時いろいろお話をして仲良くなり、参拝中などに声をかけたりしていたので、木村さんも私のことを覚えてくださっていて、たくさんのお話ができました。

今日は比較的ゆったりした予定で参拝するお寺も二つだったのですが、その二つは第44番礼所大宝寺と第45番礼所岩屋寺で、両方ともとても登るのがきついと言われているお寺でした。鬼頭さんはヒザが悪いと話されていたので大丈夫か心配だったのですが、ご本人が登りたいと言われたので一緒に挑戦することにしました。
岩屋寺は急な坂道が多く、距離も長く、私でも少しきつかったです。大宝寺で鬼頭さんは少し辛そうで、ご本人も岩屋寺に登れるだろうかと心配していらしたのですが、ゆっくりと歩いて最後まで登りきりました。一緒にゆっくりと一歩一歩歩いていると、鬼頭さんの一生懸命さが伝わってきて、自分も頑張ろうと思いました。
参加者の中に駒田さんという方がいらっしゃるのですが、駒田さんは腰などが悪く、これまで車イスや車での参拝が多かったそうです。岩屋寺を登っている時、その駒田さんを見つけました。きついと言われている岩屋寺をおひとりで登っていらしたのです。

鬼頭さんと駒田さんはお互いを励ましあって、ゆっくりと頂上を目指しました。 私たちが最後に頂上についたとき、他の参加者のみなさんが拍手で迎えてくれました。駒田さんは少し涙ぐまれていて、それを見た私も心が動かされました。

研修4日目の今日感じたことは、視覚障害を持つ方は健常者よりも聞き上手かもしれないということです。話を聞いてもらっているこちらはとても嬉しい気持ちになります。私も人の話をじっくり聞くということを見習わなければ、と思いました。
鬼頭さん、明日もがんばりましょうね。


<<< 5日目のレポート >>> 


【 レポータープロファイル 】

西森 さとみ(にしもり さとみ)

2004年4月入社、経理課見習い中の新入社員。 先月高校を卒業したばかりの西森スタッフ。とはいえそこはVISTAの新人、「18歳」と聞いてビックリ玉手箱という感じである。しかし、カメラを向けるととりあえず「ピ〜ス」を出してしまうところがやはりプリクラ世代。昔のピースとは微妙に趣が異なるのである。
<<< 西森 さとみ の研修後記!>>>

5日間たくさんの方と接して、障害があろうとも前向きに生きているという方々ばかりで、その姿がとてもたくましく、自分がこれから生きていくなかでもっとも見習わなければならないことではないかと感じました。
参加していた方の中には、視力を失ったばかりの時は外に出るのも嫌だったという方もいました けれどそのまま暗く生きていると周りの人から心配されたり、同情の目で見られるし、障害はもう消すことはできないのだから、これからの人生、前向きに1から始めよう、と自分の好きなことをやっているとおっしゃっていました。身体がいくら健康でも、やりたいことを諦めてしまう人や前向きになれない人もいます。私自身も前向きになれないことが今までいろいろありました。今回参加されている方々はとても輝いていてイキイキしていらっしゃり、前向きに生きるということは、その人を輝かせるだけではなく、周りの人間も楽しくさせるということを知りました。今回の研修で「前向き」であることの大切さを学んだと思います。