LANCIA激動の時代に生まれた最後の貴婦人
1969年にFIATの傘下に入る以前のLANCIAでもっとも完成度の高い名車、ランチア
フラミニア スペル スポルト。第2次世界大戦後に分裂を招くこととなった名門LANCIA家の内部抗争のなかで生まれた。
1955年に新オーナーとなったペゼンティによって技術部長を追われたヴィットリオ・ヤーノ(戦前のアルファロメオの黄金期を築いたことで有名)に代わり、その要職についたアントニア・フェッシア技師がその開発にあたった。
フラミニアはおおまかに4種類に分類される。
@4ドア6ライト・ボディのベルリーナ(1957年) Aピニンファリーナ・クーペ(1958年) Bトゥリング特許の軽量ボディを持つGT(1958年)
Cザガートによるスポルト(1958年)。
当博物館にあるスペル・スポルトはカロッツェリア・ザガートの手によるスポルトの高性能版(1960年)で、2.8リットルエンジンを3連ウェーバーで武装して152psを発生する最速、最後のフラミニアである。
スタイリングの手直しは当館に展示されているAlfa
Romeo TZ2の設計(1965年)で知られるエルコーレ・スパーダが担当。当時流行していたテール部を切り落とした形状のコーダトロンカが導入されている。
同型のフラミニア スペル スポルトは150台が生産されており、日本にはこの他に2台が存在するとされる。
specification |
Engine Type |
60°V6 ウェーバー・ダブルチョーク(40mm径)×3基 |
Cubic capacity |
2,775cc |
Maximum horse power |
152hp / 5,600rpm |
Maximum speed |
200km/h |
Dry Weight |
1,300kg
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