レポート1日目(5月23日金曜日)
レポーター:前田開スタッフ
今日から「ゆったりのんびり八十八カ所霊場巡りと徳島体感の旅」に参加しました。5日間も家を空けることはめったにないし、仕事というよりは旅行気分で朝からウキウキ最高の気分でした。ところが、朝、掛水さんから「日誌を持っていくように!」と伝えられ、ガーンとまっさかさま。やはり研修の一環なので当然なのでしょう。遊んでばかりはいられない、と気を引き締めて出発しました。
今回、高知からはトヨタビスタ高知から4名、ファクトリーから2名の参加で、全員若い人ばかり。私の気持ちもすっかり若返って楽しい1日を過ごすことができました。徳島駅で合流した時は不安も少しありましたが、実際ガイドをしてみて視覚障害のある方も旅慣れている人ばかりで、こちらがかえって元気をもらった気がします。
今日、ペアになった男性の方は60歳の定年退職までは目が見えていたそうです。登山が趣味で、日本の山はもちろん、中国やソ連にも行ったそうです。スイスの魔の山と呼ばれるマッターホルンにもフランスのガイドと二人で登ったそうです。それが、突然の病気で目が見えなくなり、一時は絶望との戦いだったとのこと。一緒にガイドをしながら、いろんな話を聞かせていただきました。それぞれが、一人ひとりいろんな人生を背負いながらこの旅に参加されていることを実感しました。
夜、お風呂や食事なども一緒に過ごしましたが、視覚障害の人は荷物の整理なども上手で、きちんと身の回りの整頓ができているのに感心しました。どこに何がある、というのを一度説明すると頭の中にしっかりインプットされています。
レポート2日目(5月24日土曜日)
レポーター:掛水ひとみスタッフ
今朝はなんと5時20分起きでした。一緒の部屋にいた盲導犬「大助」の「ワンッ!」というひと吠えで目覚めました。いつもは目覚まし時計を3つかけてもなかなか起きられない私ですが、とてもインパクトのある目覚めでした。
身支度をして6時から朝のお勤めをしました。住職さんのお話は朝からとても心が清められます。お経を唱えることでも朝の一日をスタートできることの感謝の気持ちを持つことができました。
今日は、各お寺で唱えるお経をきちんと唱えたいという思いがありましたので「仏前勤行要集」を購入しました。やはり経本をもってお経を唱えると気持ちが清められる気がします。昨日までは訳のわからないままいたのですが、せっかく本堂、大師さんの前でお経を唱える時間をいただいているのですから、心を清らかにしてお経を唱えたいものです。
今日のパートナーは、黒田さんという女性の方でした。盲導犬は「シャール」という女の子でした。黒田さんは八十八ヶ所巡りは2巡目らしくとても慣れていらっしゃいました。逆に私がいろいろと教えていただき、八十八ヶ所巡りの知識を部分的に身につけることができました。私生活のお話もしてくれ、人生の先輩としてのお話をしていただきました。今日のお昼の食事はゆったりとした時間が合ったので、芝生のうえで、のんびりと語りました。
宿坊についてからもゆっくりできる時間があり、今日の疲れを癒しました。今日は歩き遍路が合計4キロほどあったので、みなさん少し疲れた様子でした。今日の住職さんはとても気さくで、よく気の付かれる方でした。というのも、盲導犬のためにひと部屋分用意していただき、さらにその上に敷くブルーシート(12畳分)も用意してくれていたのです。犬がのびのびと過ごせるようにと、広いブルーシートを準備していてくれたことに私たちも大喜びでした。視覚障害をお持ちの方が盲導犬とともに旅行する際、犬がいるということで受け入れてくれないことが今でも多い、というのが現状なのだそうです。そういった厳しい現実の中でこのように大きな心で受け入れてくれるのはとてもありがたいことなのだそうですが、本来はこうあるべきだと強く感じます。「バリアフリーな社会」といえるまでにはまだまだ至っていないんだと痛感しました。あらためて実社会を見つめなおしてみると、いままで便利だと思っていたことが、実はバリアフリーでないと感じます。
2日目にして、不思議と心が清められてきました。私もひとつひとつに感謝して、明日も清らかな心で巡回していこうと思います。
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